バイオリンはいつ作られたの?

バイオリンが世に登場してきたのは16世紀初頭と考えられているようです。現存する最古の楽器は16世紀後半のものですが、それ以前にも北イタリアをはじめヨーロッパ各地の絵画や文献でバイオリンが描写されています。レオナルド・ダ・ヴィンチの手による、ヴァイオリンに似た楽器の設計図が残存しています。
現存楽器の最初期の制作者としてはガスパーロ・ディ・ベルトロッティ(通称ガスパーロ・ダ・サロ)、アンドレア・アマティ、ガスパール・ティーフェンブルッカーが有名です。当時は舞踏の伴奏など、世俗音楽用の楽器として考えられていました。
17~18世紀にはニコロ・アマティ、ヤコプ・シュタイナー、ストラディバリ一族、グァルネリ一族など著名な制作者が続出してきました。特に卓越していたのがアントニオ・ストラディヴァリとバルトロメオ・ジュゼッペ・グァルネリ・デル・ジェスであり、彼らを超える名器はいまだに生まれていないと言われています。
バイオリンは次第に力学的に改良が施されて音量・音の張りに大きく向上が見られました。音楽文化の中心が宮廷サロンから劇場・ホールに移るにつれ、弦楽器においてこれまでになく大きな響きを持つバイオリンはクラシック音楽を形作る中心となっていくのです。

弓も時代を経るにしたがい、その形を変化させてきました。弓が現在のような形になったのは、バイオリン本体よりもう少し遅く、18世紀末です。最初は半円形、つまり武器の弓に似た形状でしたが、技術的要請から徐々に改良されていきました。
逆反りになった現在の弓のスタイルを確立したのは、18世紀フランスのフランソワ・トゥルテであると言われています。トゥルテや一時代下ったドミニク・ペカットらの作品は、現在ではオールドフレンチボウとして扱われ、その世界的評価額は高額(百万円~数千万円)だそうです。
乱獲によるペルナンブコの減少と高騰を受け、代替材料として様々な試みが行われてきましたが、近年は人工繊維、とくに弾力性、剛性、湿気への強さなどに優れるカーボン製の弓が台頭著しくなっています。

現在までの改良として、バイオリン本体も多少の変化を遂げています。まず、演奏される曲の音域が増加するのに伴い指板は延長されました。また、より高いピッチへの対応及び、さらに音量をも要求されるようになり、それに対応するためネックが後ろに反り、駒がより高くなりました。 本体内部も、弦圧の増大に対応すべく、バスバーを長さ、高さとも大型のものに交換、ネック取り付け部も強化されています。18世紀以前に作られた楽器のほとんどは現在そのように改造されており、このような改造を行うことを「モダン化」、「モダン仕様」などといいます。これに対して新作の時点でそれらを織り込んで作られている物を「モダン・バイオリン」と呼びます。したがって現在作られているバイオリンはバロック仕様でない限りモダン・バイオリンということです。
また、モダン化改造を受けず原形を保っているものを「バロック・バイオリン」といいますが、現代においてつくられたバイオリンであっても「バロック・バイオリン」の仕様で作られているものもそう呼ばれます。 近年の古楽器ブームの影響もあり、モダン・バイオリンからバロック仕様への変更も若干ながら行われているようです。
これとは別に、特にイタリア製において、名バイオリン制作者が作製したバイオリンを制作時期によって「オールド(1700年代後期まで)」「モダン(1800年位から1950年位まで)」「コンテンポラリー(1950年位以降)」と分類して呼ぶこともあります。
最近では、音響を電気信号に変えるエレクトリック・アコースティック・バイオリンや、弦の振動を直接電気信号に変えるエレクトリック・バイオリンも登場しています。サイレントバイオリンもその一部です。

~Wikipediaより

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